◎ 鈴木 規夫 『実践 インテグラル・ライフ』(訳者) 月1回のセッションを10回継続
 意識と身体は不可分であるといわれます。つまり、心といわれるものがあるとき、そこには、それを支える体が存在しているというのです。
 近年においては、心理学の領域においても、心と体の緊密な関係性に着目する「身体心理学」(somatic psychology)といわれるアプローチが興隆しています。大別すると、それらは、主にグロス・ボディ(肉体)にアプローチするものと主にサトル・ボディ(感情体)にアプローチするものとの2種類に分類できると思われますが、それらに共通しているのは、言葉やイメージや感情等のメンタルな体験を窓口にするのではなく、人間の身体的な側面に直接に働きかけることをとおして、治療活動にとりくむものであるということです。
 私自身もこれまでに数種類のそうした「治療」を受けてきましたが、嶋原さんによるアプローチには、非常に 大きな感銘と衝撃をあたられました。
 とりわけ、重要な学びとしては、意識の変容という実践のプロセスを歩むうえで、これまで私は自己の自律的な努力を過度に重視する傾向にあったのですが、一連のセッションをとおして、他者の刺激や啓発を受容することが自然にできるようになったということです。いうまでもなく、そうした学びができたのは、「治療者」である嶋原さんが、自己の恣意的な意図や思惑を排して、セッションのただなかに大いなるものが自然と顕在化するのを許すことができるだけの能力と謙虚さとそなえているからでしょう。
 また、長期間にわたり定期的なセッションを受けるなかで、個人的にとりわけ印象的だったのは、セッションの質が繊細化・微細化していき、徐々に普通の意味における「体験」や「経験」といわれるものとしてとらえられなくなる不思議な状態が生まれる段階が訪れるということです。そこでは、治療の効果を体験する個人がいるのではなく、治療者と被治療者の共同作業のただなかに、非人称的なものが顕現化するとでもいうようなイベントが起こるのです。瞑想の実践に長年とりくんでいる実践者は、しばしば、いわゆる「体験」といわれるものを目的として実践にとりくむ段階を卒業していくことを述べますが、このセッションをとおして、そうした洞察に対する理解を深めることができたように思います。
 様々な意味において、今、意識の変容の実践の転換期にいる方々に推薦したいと思います。


◎ Oさん(50代男性) 初回セッション
 その節はお世話になりました。人に勧められて伺いましたが、なにぶんにも初めての体験であり、どのようなものか想像できなくて多少緊張していたようです。しかし、お部屋に入った瞬間から居心地がよく、先生の笑顔にすっかりリラックスできました。じっくり1時間ほどヒーリングをやっていただきました。横になった姿勢でしたが、すぐじんわりとしたものが足から伝わってきて驚きました。そしてぼんやりとした膜のようなものが身体を覆ったような感触にとらわれ不思議な気持ちでした。途中少し眠くなることもありましたが、頭の神経は冷めているようにも感じ、これも異次元の体験なのかなと思いました。とくにイメージ的なものは浮かびませんでしたが、人によってはいろんな映像が浮かんでくることもあるとのこと、今回それは体験できませんでしたが、またの機会の楽しみにしたいです。終わっての感想は、すっきりとした高揚感のようなものがありました。活力、エネルギーが湧いてきた感触です。体調はよいので治療的なものはお願いしませんでしたが、持病などお持ちの方には素晴らしい効果があるのではと思いました。嶋原先生、貴重な体験をすることができました。心から感謝いたします。


太陽の手